3つの多世代…MBTを読み解くキーワード
MBTの実現に向けて、当研究所ではいくつかの重要な着眼点を設定している。本ブログではそれらを「MBTを読み解くキーワード」として紹介する。そしてそのうちの一つが、本記事で紹介する「3つの多世代」(図)である。超高齢化社会において、社会の幸福な持続的成長を支える社会関係資本構築に対して、この「3つの多世代」が協力して創造する多世代共創が基盤となると考えている。以下「3つの多世代」をそれぞれ説明する。
1つ目の多世代とは、同時代を生きる多世代である。老いも若きも、健常者も要支援・要介護の者もともにまちづくりに参画し一緒に汗をかくことが多世代共創である。
2つ目の多世代とは、先祖から子孫に至る多世代である。バトンリレー走者のように、前の世代から何を引き継ぎ、次の世代に何を届けていくか。地域に綿々と伝わる遺伝子にも例えられる文脈を端的に示しているのが伝統的な町並みである。何世代にもわたって町並みを維持継承していくこともわかりやすい多世代共創である。
3つ目の多世代には、ひとりの人生の中に存在する多世代をあげることができる。一生を通じて地域に住み続け、通過儀礼とともに年齢に応じた地域の役割を果たすという意味での多世代共創である。
当研究所では「まちづくりオーラル・ヒストリー調査」や「まちづくり人生ゲーム」など、それぞれの多世代を記録し解読する手法を開発または活用し、様々な地域での持続可能な多世代共創まちづくりを実行していく。