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「まちなじみワークショップ」を実施しました

 2018年2月18日(日)〜19日(月)、早稲田大学医学を基礎とするまちづくり研究所は、奈良県橿原市 今井まちなみ交流センター「華甍」にて、「まちなじみワークショップ」を実施しました。これは、同研究所と奈良県立医科大学の共同研究課題「空き家活用によるまちなか医療の展開とまちなみ景観の保全」の一環です。この研究プロジェクトは、2016年9月に科学技術振興機構(JST)社会技術研究開発センター(RISTEX)の「持続可能な多世代共創社会のデザイン」研究開発領域に採択されています。

 昨今、我が国では近所付き合いや世代間交流といった地域の絆が脆弱になっていることが危惧されており、災害時の復興の進捗状況などにも地域の絆の強弱が影響を及ぼすことが報告されています。まちが元気であり続けるために、地域に住み続けてきた人々と、新しく地域に移り住んだ人々が互いになじむことにより絆を深めることが大切です。

 本研究フィールドである今井町は、日本有数の重要伝統的建造物群保存地区であり、多様で緊密な人づき合いが今もなお残っています。今年度、本研究所ではこのことに着目し、今井町の新たな住民・事業者がどのように人間関係を構築しまちになじんだのか、つまり「まちなじみ」をすすめたのかを明らかにするために「まちなじみ調査」を実施しました(調査対象者:計25名)。

 その結果、「まちなじみ」プロセスを記述する「まちなじみスコアシート法」を開発し、「まちなじみ」プロセスを参集・参与・参画の3段階からなる枠組みで分析し、「まちなじみ」プロセスを17のパターンとして可視化しました。さらに、これをもとに、新規居住者が「まちなじみ」をすすめるための手引きとなる「まちなじみガイドブック(素案)」を編集しました。

 そして今回、これら調査成果の発表およびガイドブックのさらなるブラッシュアップを目的に「まちなじみワークショップ」実施しました。

 ワークショップの参加者は、延べ25名の今井町住民および事業者で、参加者に新たな住民・事業者の役を演じてもらいながら、これから「まちなじみ」をすすめる人の立場に立って具体的な「まちなじみ」の事例を追体験いただきました。参加者はいつもとちがう視点から、まちでの人間関係の形成について再考することとなり新たな気づきを得るとともに、地域として「まちなじみ」をすすめるための重要なポイントが浮かび上がってきました。得られた成果は「まちなじみガイドブック」に反映されます。

 今後、本研究所では「今井町分室」を拠点として、多世代交流の創出による「ひとも元気に、まちも元気に」の実現に向けた研究を継続していきます。

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