「社區交往”Way to Community”-International Workshop of Placeamking 2018-」に参加しました
早稲田大学 医学を基礎とするまちづくり研究所は、2018年3月に「社區交往”Way to Community”-International Workshop of Placeamking 2018-」に参加しました。これは台北市都市更新局主催で実施されたものです。同局では、既存の建物を活かしながら、地域内外の高齢者・若者等を結びつける等様々な交流の場作りを進めています。本ワークショップでは、そうした事例視察と共に、台北市、台北医大、本研究所の双方の取り組みに関する情報・意見交換が行われました。この中で、弊所が注目している「まちなじみ」や、医療機関を核とした交流の場作りである「医の居場所」づくりに関して、多くの知見を得ることができました。
ワークショップの概要はこちらからご覧いただくことができます(中国語、英語)。ぜひご覧ください。
なおこの活動は本研究所と奈良県立医科大学の共同研究課題「空き家活用によるまちなか医療の展開とまちなみ景観の保全」の一環です。この研究プロジェクトは、2016年9月に科学技術振興機構(JST)社会技術研究開発センター(RISTEX)の「持続可能な多世代共創社会のデザイン」研究開発領域に採択されています。
【視察した主な事例】
●古風白小屋
台北市中心部に近い比較的裕福な住宅地である「古風里」エリアにある活動拠点。この拠点は、地域住民が無料で家電等の修理やものづくりを行うことができるDIYシェア工房となっている。参加者は道具や材料を無料で使用する代わりに、対価として労働を提供するルールとなっており、ものづくりを通じた多世代交流が生まれている。またこの拠点で様々な植物の苗を育てることにより、近隣の緑化を進めている。
↑古風白小屋外観
↑古風白小屋内観
↑緑化された路地
●南機場楽活園地
台北市中心部からほど近い集合住宅団地を含む「南機場」エリアにある活動拠点。同地域は、団地の老朽化、住民の高齢化がすすむとともに、低所得者層の割合が高いといった特徴がある。これら課題に対して、地域住民により組織される「南機場社区」が活動拠点を運営している。この拠点では、高齢者にランチが提供されるとともに、近隣の病院と連携した健康測定機器を設置し、高齢者の健康管理を進めている。またそれだけでなく、フードバンクの設置、母子家庭等の小中学生を対象とした学習塾の開講、就職支援・職業訓練なども実施している。
↑「南機場」エリアの様子
↑病院と連結している健康測定器
↑高齢者が集まるランチ