「薬狩りモニターツアー−冬の宴−」を実施しました
2017年12月2日(土)~3日(日)、早稲田大学 医学を基礎とするまちづくり研究所と奈良県立医科大学は「薬狩りモニターツアー−冬の宴−」を実施しました。これは両大学および日本観光振興協会の共同研究課題:『薬用作物の産地形成と園芸療法を通した医学的エビデンスにもとづく「農村医療観光」の開発による6次産業の創出に関する研究』(農林水産政策科学研究委託事業)の一環として取り組んでいるものです。 ツアー名にある「薬狩り」とは、薬として利用可能な植物を採集することであり、本ツアーはこの「薬狩り」を通して自然環境と健康との深い関わりを体感する事をコンセプトとしています。また、このツアーは、2017年8月に高取町で実施した「夏の宴」に続くもので、「冬の宴」では推古天皇によって日本で初めて「薬狩り」が実施されたとされる宇陀市を舞台としました。 具体的なフィールドの1つ目は榛原大貝地区です。ここは、近年、県を挙げて生産に取り組んでいる奈良原産の薬用作物「大和当帰(ヤマトトウキ)」の生産に力を入れていて、また今も薬草が多く自生する場所でもあります。2つ目は、大宇陀松山地区です。ここは、推古天皇が「薬狩り」を行ったとされる場所の近くにあり、また薬関連事業者の連なる伝統的な町並みが残る場所でもあります。 主なプログラムとしては、大和当帰の収穫体験、生薬・ハーブを用いたトリートメント・食事、そして「薬狩り散策」を実施しました。特に「薬狩り散策」では、地元住民や薬草・漢方の専門家の協力のもと、一見、雑草として見過ごされてしまう植物や、何気ない風景にまつわるエピソードや知恵を、参加者が視覚、聴覚、触覚、嗅覚、そして味覚を駆使して体感するプログラムとしました。
また、医学的効果および経済的効果の検証を目的とした測定作業を行いました。今後これら測定データを分析し、前回ツアーのデータも含め、「人も元気に、村も元気に」に寄与する「農村医療観光」のあり方を考察します。 【主なツアー協力者】 ウェルネスフーズUDA 山口武さん ポニーの里ファーム 保科政秀さん、井ノ上里奈さん 自然療法「森の学校」校長 クレメンツかおりさん ゲストハウス「奈の音」 前真司さん、前由美子さん ヒルトコカフェ 大和牛 丼の店 件-kudan- 宇陀市榛原大貝地区の方々 保養センター美榛苑 宇陀観光