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研究所概要
About PIMBT
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名称: 医学を基礎とするまちづくり研究所 Planning Institute of Medicine-Based Town
設置箇所: 早稲田大学 総合研究機構
所長: 後藤 春彦 (早稲田大学理工学術院教授)
研究テーマ: 超高齢・縮退社会を見据えた「医学を基礎とするまちづくり」のための空間計画技術に関する研究
研究概要: 本研究は、超高齢・縮退社会を迎えたわが国の都市において喫緊の課題となっている、地域の医療・福祉・健康を基軸としたまちづくりに関して、医学と都市計画学の両側面からあるべき都市空間・社会制度のあり方を具体的に描きだし、それらを実現するための空間計画技術を構築するものである。
高度医療に依存しない在宅医療・まちなか医療システムの確立、徒歩による外出を誘発するコンパクトな都市構造の獲得、逆都市化のすすむ郊外部のレクリエーション空間としての適正管理、地域の多主体が連携・協働する仕組みの構築などを通して、地域を基盤として医療・福祉に関連するさまざまな機能や施策の有機的連携を作り出し、地域全体で医療・福祉・健康を支えていくシステムに関する計画・実践理論を構築する。
具体的には、以下の六点を目的として掲げ、研究期間内での達成を目指す。
(1)亜急性期医療の場としての「まちなか医療拠点」のスキーム確立と理論化、「在宅医療」に対応した新たな建築・居住像、医療福祉機関との連携スキームの確立、ならびにそれらを支援する技術の開発
(2)地域の医療福祉とコミュニティの相互補完的再構築のスキーム確立と理論化
(3)高齢者のスピリチュアルペインに焦点をあてた、居住空間での「スピリチュアルケア(生きがい創出)」のスキーム確立と理論化
(4)地域の医療福祉の向上に資するウォーカブルな都市像の描出と、その具体的な実現施策の確立と理論化(都市機能再配置、公園緑地ネットワーク再構築を含む)
(5)コンパクトなまちを創る都市交通ならびにそれによる外出行動の変化の解明
(6)「医学を基礎とするまちづくり」を担う多主体協働の枠組み構築と、その政策的支援に向けた可能性・課題の検証
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MBT(医学を基礎とするまちづくり)とは
MBT とは、Medicine-Based Town(医学を基礎とするまち)の略である。
奈良県立医科大学の細井裕司教授が提唱された概念で、住まいにおける” 健康” を医学的見地から検証する「住居医学」講座の成果をさらに発展させ、まち、そして、都市規模へと拡大するものである。
「人体」を、人類の遺伝子を次世代に届ける使命を受けて時空を旅する小さな舟に例えるならば、人類の最大の創作物である「都市」は、人間集団、すなわち、社会の遺伝子を運ぶために時空を航行する母船にも例えることができる。現在、医学と都市計画学の両者が交流する機会は乏しいようにも思われるが、MBT 概念のもとで、「人体」の健康と「都市」の持続性を追求する二つの研究領域が接近することは社会的要請とも言える。
21 世紀に入り、わが国は人口減少がすすみ、これまでに経験したことの無い縮減社会のデザインが希求されている。いかに、スマート・シュリンキングするかが問われている。特に、高齢化は顕著で世界的にも類を見ないスピードですすんでいる。また、家族構成も核家族が解体して、単身世帯が増加し、かつて家族が担っていた福祉や介護などの役割を地域社会(コミュニティ)に移さなくてはならなくなっている。しかし、その一方で、無縁社会とも表現される地域社会(コミュニティ)の崩壊が進みつつあり、将来の展望を描けない状況に追い込まれている。さらに、昨今の財政状況の悪化によって、国に一元化された医療福祉政策を従来の枠組みで推進することは厳しくなっている。 このような八方ふさがりを打開する策として、地域社会(コミュニティ)を再生するとともに、民間の事業者の参入、非営利組織の育成などを通して、市民自治の力で地域包括ケアを実現することが、医療福祉分野において求められるようになってきた。 多様な個人、ひとりひとりの快適で豊かなライフスタイルを志向するソーシャル・ウェルビーイングを意識した医療福祉の時代が到来している。このような新しい医療福祉を支える物理的かつ社会的な空間として「まち(都市・地域)」と呼ばれる概念が重要になりつつある。
このような社会背景のもと、医療福祉政策と都市計画やまちづくりの分野との距離が急速に縮まっている。リアルな生活の舞台としての「まち(都市・地域)」を介した医学と都市計画学の融合による課題解決は、近未来の学術領域において大きなムーブメントになることだろう。 今日の高齢化社会、成熟社会における都市のアクターは均質な個からなる集団ではなく、価値観的にも身体的にも多様で、個々人のライフヒストリーの履歴に応じた多彩な社会サービスを提供するために、ひとりひとりの顔や個性が見える社会的ネットワークの構築が重要になる。 これまでもひとりひとりの人間を対象としてきた医療福祉分野の経験蓄積と都市計画・まちづくり分野のコミュニティ・デザインの経験蓄積との融合は、ソーシャル・ウェルビーイングを志向する現代社会において、人も都市も元気にするための技術領域を提供する可能性を持っている。そして、それを実現する物理的・社会的空間こそがMedicine-Based Town(医学を基礎とするまち)に他ならない。
(奈良県立医科大学+早稲田大学共同研究報告書「Medicine-Based Town構想ー医学を基礎とするまちづくり」より抜粋)
研究メンバー
Member
医学を基礎とするまちづくり研究所
研究所員
有賀 隆 (早稲田大学理工学術院教授)
田邉 新一(早稲田大学理工学術院教授)
森本 章倫(早稲田大学理工学術院教授)
岡村 竹史(早稲田大学リサーチイノベーションセンター上級研究員)
林 書嫻(早稲田大学リサーチイノベーションセンター次席研究員)
高嶺 翔太(早稲田大学リサーチイノベーションセンター次席研究員)
吉江 俊 (早稲田大学リサーチイノベーションセンター次席研究員)
招聘研究員
細井 裕司(奈良県立医科大学 理事長・学長)
三谷 和男(三谷ファミリークリニック 院長)
巽 欣子(三谷ファミリークリニック 副院長)
中村 美香(ミカユニバーサルデザインオフィス 取締役社長)
吉田 道郎(梵まちつくり研究所 代表取締役)
佐藤 宏亮(芝浦工業大学 教授)
建築・まちづくり リサーチ・ファクトリー
研究所員
岡村 竹史(早稲田大学リサーチイノベーションセンター主任研究員)
林 書嫻(早稲田大学リサーチイノベーションセンター次席研究員)
高嶺 翔太(早稲田大学リサーチイノベーションセンター次席研究員)
吉江 俊 (早稲田大学リサーチイノベーションセンター次席研究員)
招聘研究員
山村 崇 (東京都立大学准教授)
リム ジョンミン (早稲田大学 理工学術院総合研究所 次席研究員)
山川 志典
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所在地
〒162-0041
東京都新宿区早稲田鶴巻町513 早稲田大学121号館611
医学を基礎とするまちづくり研究所
連絡先
+81 (0)3-5286-3374/wasedambt@gmail.com
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◆早稲田大学内当研究室紹介ページ
https://www.waseda.jp/inst/cro/other/2020/03/29/4633/
◆連携組織:早稲田大学 オープンイノベーション戦略研究機構
建築・まちづくり リサーチ・ファクトリー
https://www.waseda.jp/inst/oi/news/255
◆Yomiuri Online当研究室紹介記
http://www.yomiuri.co.jp/adv/wol/research/tokku_160223.html
https://www.facebook.com/PIMBT/
◆RISTEX社会技術研究開発センター
http://ristex.jst.go.jp/index.html
リンク
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